舌や唾液(だえき)腺など、人間の口内の細胞にも新型コロナウイルスが直接感染していることを、米ノースカロライナ大などの研究チームが突き止めた、と朝日新聞デジタルが伝えた。口内でウイルスが増え、唾液を通じて感染を広げる可能性があるという。
新型コロナのウイルスは肺やのどの細胞に感染し、肺炎を起こして呼吸困難による重症化を起こす。PCR検査に使う唾液の中にもウイルスが存在することはわかっていたが、口内の細胞に直接感染しているのかは不明だった。そこで同大チャペルヒル校や米国立保健研究所(NIH)などの研究チームは、様々な方法で口内での感染の可能性を調べた。
研究者は口内の細胞が、気づかぬうちに感染し、唾液をのみ込んで気管や肺などにウイルスが侵入したり、他人に飛散させたりする「培養装置」になっているとしている。専門家は会食など飲食の場での感染対策に一層の注意を呼びかける。
論文は米科学誌ネイチャー・メディシン(https://doi.org/10.1038/s41591-021-01296-8)に掲載された。
朝日新聞デジタル「口の細胞、コロナに直接感染 唾液から他人に広がる恐れ」 https://www.asahi.com/articles/ASP6856QTP5VPLBJ006.html